死後事務委任契約とは

自分が亡くなった後のいろんな手続きを任せたい

死後事務委任契約とは、その名の通り、自分が亡くなった後のさまざまな諸手続きを誰かに任せておく契約です。例えば、次のような事例に当てはまる方は、意外と多くいるようです。

 

・夫に先立たれたが、子どもがいない。

・兄弟はすでに亡くなっており、甥や姪とは疎遠だ

・多少の財産はあるが、疎遠な親戚よりも仲のよい友人に遺贈したい

・親戚はいるが遠方に住んでおり、普段は一人暮らしだ。もし自分に何かあったとき、色んな手続きをしてくれる人が近くにいない

 

正確に言うと、死後事務委任契約だけではなく、遺言書や見守り契約、任意後見契約などと絡めて契約していただいたほうが、便利です。

 

例えば任意後見契約は、事理弁識能力(判断力)が低下した場合に備えて契約するものです。また本人の死亡と同時に契約が終了してしまいますので、死後の手続きを進めることができません。

遺言書とセットで契約

死後事務委任契約と遺言書は異なります。遺言書に書いて有効となる内容は、法律で認められているものに限られます。詳しくは、公正証書遺言の作成のページを参照してください。

 

つまり遺言書では、葬儀の手続きや遺品整理などに関する希望を託すことができないのです。死後事務委任契約は、遺言書とセットで契約することで、より具体的に自らの思いを契約者に託すことができるのです。

遺言書とセットで死後事務委任契約をしておかなければ、預貯金の解約ができませんので、さまざまな手続きを実行するための費用を捻出することができません。

また、遺言書を残す場合は、公正証書遺言でお願いしています。自筆証書遺言の場合、家庭裁判所での検認の手続きが必要となるからです。

検認とは、遺言書が偽造・変造されないように、相続人全員が家庭裁判所に集まって遺言書の中身を確認します。

仮に身寄りのない方が自筆証書遺言を残し、その保管を当職が依頼されていたとしても、この手続きを踏まないわけにはいきません。

その点、公正証書遺言であれば、検認の手続きが不要ですので、迅速に業務を処理することが可能になります。

死後事務委任契約ご契約の流れ

死後事務委任契約を依頼される場合、次のようなステップで業務を進めていくことになります。

  1. ヒアリング
    葬儀や埋葬の方法、財産の遺贈先などについてお聞きします。また届出が必要な官庁だけではなく、フェイスブックやツイッターなどSNSの契約状況などについてもお聞きします。財産については、預貯金だけではなく土地や建物についても教えてください。

  2. 業務依頼契約の締結
    契約書作成・遺言書作成サポートについて、当事務所と業務依頼契約を締結してください。その際に前金として5万円をお支払いいただきます。契約締結後、資料の収集や依頼者様の死後に必要となる諸経費の計算を行います。

  3. 死後事務委任契約書の作成
    依頼者様と打ち合わせを重ね、契約書の内容を固めます。

  4. 業務執行費用の口座を確保
    依頼者様がお持ちの銀行口座に、死後の処理に必要な諸経費と当事務所の報酬額をお預けください。トラブルにならないように、事前に当事務所が業務執行費用をお預かりすることはありません。

  5. 公正証書及び公正証書遺言の作成
    死後事務委任契約は公正証書で結びます。また同時に、公正証書遺言も作成しますので、遺言執行者は当事務所代表をご指定ください。遺言執行者に指定していただくことにより、遺言書の内容を円滑に実行することができます。

  6. 契約内容や遺言書の内容の変更
    一度契約した内容をずっとそのままにしておく必要はありません。生活状況等の変化により、内容を変更したい場合もあると思います。その場合は、何度でも対応いたしますので、遠慮なくお申し出ください。