現在、当事務所では神戸市北区で農地転用許可申請を依頼されています。太陽光発電設備を設置する計画なのですが、所有者と事業者が異なるので、5条許可申請となります。ちなみに所有者と事業者は親族です。
現在は田として利用されており、写真のように稲が植えられています。登記上は畑です。
青々と茂っているので、個人的にはもったいないなぁと思うのですが、後継者がおらず、草刈りなど維持管理が大変なので、太陽光発電設備を設置したい、とのことでした。依頼者はこのほかにもたくさん農地を所有されているので、維持管理が大変な場所を選んだそうです。
さて、農地法3条、4条、5条許可申請を行うに当たり、申請地が隣接地が農地の場合は、その所有者の同意をもらう必要があります。
私が農地転用の許可申請を依頼された場合、まず申請地周辺の登記情報を全て取得します。まずここから始めなければ進みませんのでね。
今回も同じように周辺地の登記情報を調べていたのですが、なんと、そのうちの3筆の所有者が神戸市となっていました💦依頼者も全くそんなことは知らず、自分の土地だと思っていたそうです。
これは私にとっても初めてのケースです。登記上「農地」となっていますが、実際は擁壁のような状態で、一目瞭然で農地とは言えない場所です。
しかしもし市の同意が必要…ということになれば、同意をとるのに時間がかかる可能性もある、と心配しました。
そこで神戸市農業委員会に事情を説明し、回答を求めました。
その結果は…
「所有者が神戸市の場合、同意はいらない」
とのことでした。これで一安心。
粛々と農地転用の許可申請を進めていくことができます。
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uradoori67@yahoo.co.jp (土曜日, 14 7月 2018 11:24)
太陽光発電をするための農地転用許可申請(雑種地への転用)の場合、隣接地の同意がなければ、申請書の提出は認められないのですか。(周囲は個人の所有地です)
行政書士 中廣 (土曜日, 14 7月 2018 11:59)
uradoori67@yahoo.co.jp さま
コメントありがとうございます。太陽光発電設備の設置にかかわらず、隣接地の登記簿上の地目が「田」や「畑」となっている場合、隣接地の所有者の同意書が必要ですよ。隣接地が宅地や雑種地の場合は、必要ありません。
ただし、事業を円滑に進める上で、工事着手前にあいさつしておくほうがいいとは思います。太陽光の販売会社や施工業者がやってくれる場合もあるようです。